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【わかりやすい業務解説】現役金融マンが投資銀行業務としてのストラクチャードファイナンスの仕組み・実務内容・やりがいを解説!

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ストラクチャードファイナンスに興味があるけどちょっと難しそう…

基本スキームを理解すればそこまで難しくないよ!

ストラクチャードファイナンスやプロジェクトファイナンスといった投資銀行業務について、言葉として知ってはいるものの実際にどのような業務をしているかを理解している人は少ないと思います。

私自身、就職活動をしていた時期や金融機関に就職して数年の間はこれらの業務についてあまり理解していませんでした。

この記事では、実際にこれらの業務に従事している人から教えていただいた話や私のキャリアの中で獲得した知識に基づき、ストラクチャードファイナンスやプロジェクトファイナンスについて、わかりやすく簡単に解説します。

ストラクチャードファイナンスに関わる部署で行われている実際の業務についても紹介するよ!

この記事では以下のような悩みを解決します!

◆この記事で解決する悩み◆
  • ストラクチャードファイナンスって何?
  • 実務レベルではどのような業務をしているの?
  • ストラクチャードファイナンスに関わる仕事をするには?

この記事で想定する読者は以下の通りです!

◆この記事はこんな人にオススメ◆
  • 投資資銀行業務に興味のある就活生や転職志望者
  • 既に金融業界で働いていてストラクチャードファイナンスをザックリと知りたい人
  • ストラクチャードファイナンスで資金を調達する商社などの事業会社で働いている人

ストラクチャードファイナンスとは?

そもそもストラクチャードファイナンスってどういう意味なの?

何かしらの仕組みを使い信用リスクをコントロールするファイナンス手法全般のことを指すよ

ストラクチャードファイナンスの定義

ストラクチャードファイナンス(Structured Finance)は日本語では「仕組み金融」と一般には直訳されます。

ただし、その定義については専門書や実務家によって微妙に異なり、特に決まった定義はありません。

日本においてストラクチャードファイナンスと言う言葉が幅広く使われるようになったのは1980年代のことだと言われています。

明確な定義がないとなると、ますますよくわからないよ

そういう人も多いから、とりあえず私なりの定義を共有するよ

◆ストラクチャードファイナンスの定義◆
特別な仕組みを導入することで信用リスクをコントロールしたファイナンス手法

この定義だけだとちょっとよくわからないなぁ

要するに、企業の信用だけでは資金を集められなかった会社でも特別な仕組みを導入し、リスクをコントロールすることで資金調達ができるようになるって理解すれば大丈夫だよ

ストラクチャードファイナンスの基本的なスキーム

ストラクチャードファイナンスの具体的にどんな仕組みなの?

ストラクチャードファイナンスの基本スキームをわかりやすく説明するよ

ストラクチャードファイナンスの基本スキームは次の通りです。

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多くのストラクチャードファイナンスでは特別目的会社 (SPC: Special Purpose Company)や特別目的事業体 (SPV: Special Purpose Vehicle)を活用することで信用リスクをコントロールするスキームが非常に多いです。

したがって、上記のスキーム図を理解することは非常に重要です。

単にスキームの説明をすると以下の通りです。

  1. 企業やプロジェクトといった対象アセットを買収または購入したい事業会社やPEファンドが100%子会社であるSVCを設立する
  2. SPCが金融機関から買収・購入資金を借り入れ
  3. SPCが出資金と借入金を用いて対象はセットを買収または購入する

また、それぞれの利害関係者としてのメリットを示すと以下の通りとなります。

*事業会社・PEファンドのメリット
  • 株主有限責任の原則により、SPCの出資金以上の損失を伴うことがないリスクの限定)。
  • SPCが金融機関から借り入れを行うことで、出資金以上のアセットであっても購入することができる財務レバレッジ)。

*金融機関のメリット
  • 対象アセットのキャッシュフローを返済原資とすることで事業会社やPEファンドの信用リスクに関係なく、融資を行うことができる
  • 特別な融資体系であることから、低金利の市場環境においても、比較的高水準の金利収入が期待できる

ストラクチャードファイナンスは双方にとってメリットのある仕組みなんだね!

そのとおり!
双方にメリットがある点がストラクチャードファイナンスの良い点なんだ!

コーポレートファイナンス(融資・与信)との相違点

ストラクチャードファイナンスについて少し理解できたけど、通常の資金調達とどんな違いがあるんだろう…

通常の資金調達はコーポレートファイナンスというのだけど、以下の2つの点で大きく異なるよ

  1. 最終的に誰が返済の義務を負うのか
  2. どのようにファイナンスが実行されるか

コーポレートファイナンスとストラクチャードファイナンスの相違点を理解しておく事は、ストラクチャードファイナンスの理解を深めるためには非常に有用です。

上記の2つのポイントを意識してそれぞれの特徴を眺めてみてください。

コーポレートファイナンスとストラクチャードファイナンスの特徴はそれぞれ以下の通りとなります。

*コーポレートファイナンスの特徴
  • 企業の信用を裏付けに融資を行うため、たとえ企業を買収するための資金であったとしても、最終的には企業自身が返済の義務を負うリコース・ローンとも呼ばれる)。
  • 最も一般的な融資手法であるため、融資を実行するための実務は規格化されている。
  • 従って、現場の担当者が融資実行まで行うことができる。

*ストラクチャードファイナンスの特徴
  • 特定のプロジェクトのキャッシュフローの確実性を裏付けに融資を行うため、たとえそのプロジェクトが失敗に終わったとしても、企業自身が返済の義務を負う事は無いノン・リコース・ローンとも呼ばれる)。
  • キャッシュフローの確実性を調査する必要があったり、スキームが微妙に異なることがあるので、1件1件の案件をテーラーメイドで組成する必要がある。
  • 従って、専門部署の担当者でないと実行することができない。

ストラクチャードファイナンスの主な種類

ストラクチャードファイナンスにはどんな種類があるの?

ストラクチャードファイナンスの種類はたくさんあるけど、代表的な手法を2つ紹介するよ

プロジェクトファイナンス

返済原資を特定のプロジェクトから生じるキャッシュフローに限定し、担保についても当該プロジェクトの資産に限定したストラクチャードファイナンスのことをプロジェクトファイナンスといいます。

ストラクチャードファイナンスの中では、最も一般的なものがプロジェクトファイナンスです。

総合商社や石油関連会社が国際的な資源開発プロジェクトをスタートする際に、しばしば利用されるスキームになります。

当該プロジェクトが途中で失敗し、資金が回収できなくても金融機関は総合商社や石油関連会社に融資の返済を請求できないので、プロジェクトの成功度合いを精査する高度な専門性が要求されます。

最近では、再生可能エネルギーの発電施設の開発プロジェクトなどの地球温暖化対策に対する資金提供を行うグリーンファイナンスにおいても積極的に活用されています。

LBOファイナンス

LBO(Leveraged Buy-Out)ファイナンスとは、企業買収を行うために金融機関から多額の資金を借り入れすることを言います。

買収企業の信用ではなく、買収対象企業(非買収企業)のキャッシュフローや資産に依存した資金調達手法です。

LBOでは、借入金によるレバレッジ効果を最大限に活用するために、買収資金の大半は借入金に頼ることとなります。

PEファンド(特に、バイアウトファンド)が企業を買収する際に、しばしば利用されるスキームです。

また、2006年のソフトバンクによるボーダフォン日本法人の買収でも利用されました。

ソフトバンクによるボーダーフォンの買収の際には、なんと買収総額1兆7500億円のうち1兆1600億円が17行による金融機関のノン・リコースの借入金だったんだ

買収総額の66%をLBOファイナンスで資金調達したなんて…

ストラクチャードファイナンスの手続き

ストラクチャードファイナンスの具体的なプロセスがわからない

具体的には以下のステップで融資が実行されているよ

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情報収集・調査

世界各国に散らばった海外拠点のフロント部署から買収や新規プロジェクトの開発に関する情報をキャッチします。

特に、お客様と最も近い法人営業部のキャッチする情報は非常に有用です。

また、最先端のストラクチャードファイナンスの手法をキャッチアップすることも求められます。

最新手法を取り入れることで、お客様への新たなソリューション提案に繋げます。

買収やプロジェクトを実施する企業へのアプローチ

買収やプロジェクトを実施する企業に対して、ストラクチャードファイナンスを実施する意思があることを伝えます。

複数の金融機関が資金面からサポートすることを表明し、競合するが非常に多いです。

フィージビリティー・スタディー、デューデリジェンス

買収やプロジェクトから発生するあらゆるリスクを分析し、これらのリスクに基づいた資金回収のシミュレーションを作成します。

これにより、買収やプロジェクトから資金が回収できることを検証します。

デューデリジェンスにおいては実際に被買収企業やプロジェクト開発の現場などに足を運んで確認することもあります。

プラン提出

デューデリジェンスの結果を踏まえて、リスクをコントロールするためのストラクチャリングを行います。

ストラクチャリングの結果は買収やプロジェクトを実施する企業に提出します。

マンデートの獲得

提出したプランをもとに融資の主幹事行が決定されます。

どの金融機関にとってもマンデートを獲得することは、世界的評価の向上と手数料収入を得ることにつながるため、非常に重要です。

シンジケーション

他の金融機関に参加を呼びかけ、融資を行う銀行団(シンジケート)を組成します。

これはストラクチャードファイナンスを行う多くの買収やプロジェクトが大規模であるため、単独の金融機関では当該買収やプロジェクトから発生するリスクを引き受けられないためです。

ドキュメンテーション

多数の利害関係者との間での膨大な量のファイナンス契約書を作成します。

クロスボーダーの案件である場合には、当然、英文にて契約書を作成する必要がある。

また、多くの場合では契約書の数が数百枚にも及ぶこととなるため、すべての契約書を印刷すると、厚さが5センチ以上にも及ぶことがある。

クロージング

契約書を調印し、融資を実行することで、案件を完了させます。偉い人のサインや印鑑が必要となります。

ストラクチャードファイナンスの手続きは何となく理解できたよ!

次はいよいよストラクチャードファイナンス部門で働く人の業務内容を紹介するよ!

ストラクチャードファイナンスの業務内容

実際にストラクチャードファイナンスの部門で働いている人は何をしているの?

それぞれのグループや課によって違いはあるけど、主に契約文書の作成が占める割合が比較的大きいよ

ストラクチャードファイナンスの組成は、専門部署が取り扱うため一般の金融機関の担当者にとってもなじみが薄く、業務内容や実務についてはあまり知られてはいません。

特に、LBOファイナンスを取り扱う部署ではファンドによる買収が新聞などで公表されるまでは厳格な秘守義務の下で作業を行う必要があり、多くの場合、専用のICカードでないと入室できないセキュリティールームの中で業務が行われています。

とても秘匿性の高い業務なんだね!

とは言え、ストラクチャードファイナンスの部署で行われている業務は以下の5つに分類できるよ!

◆ストラクチャードファイナンスの主な業務◆
  1. 企画・商品開発
  2. 提案書・契約書の作成
  3. 現地視察
  4. 関係者との調整
  5. 決裁・稟議

企画・商品開発

企画・新商品を開発においては、国内外の最先端のストラクチャードファイナンスの案件の研究や調査、新しいスキームや問い直す手法の開発が行われています。

近年では、ESG, SDGsが注目される中で、再生可能エネルギーである洋上風力発電所の開発のための資金調達へのストラクチャードファイナンスの活用が取り上げられています。

提案書・契約書の作成

事業会社、インフラ企業、ファンドといった実際にプロジェクトを取り組み企業への提案資料の作成や多数の利害関係者との契約書の作成もストラクチャードファイナンス部門での仕事の1つです。

ノン・リコース・ローンであることやシンジケーションを行った場合には多数の金融機関が協調して融資を行う必要があり、契約書の枚数が数百ページに及ぶことも多いです。

さらに、クロスボーダーのストラクチャードファイナンスである場合には、英文にて契約書や提案書を作成する必要があり、非常に高度な専門性が求められます。

現地視察

ストラクチャードファイナンスにおいては、プロジェクトに伴うキャッシュフローからしか資金を回収できないため、当該プロジェクトが成功するか否かを融資実行の前に見極めることが非常に重要になります。

したがって、当該プロジェクトが成功するか否かを判断するため、実際にストラクチャードファイナンス部門に所属する担当者が現地に視察に行くことが多々あります。

現地調査でわかった事は必ず記録を残します。

関係者との調整

プロジェクトを主導する事業会社やファンド、当該プロジェクトに参加する多数の金融機関、契約書の作成においては欠かせない弁護士・司法書士・税理士などとの利害関係を調整して、プロジェクトをリードすることがストラクチャードファイナンス部門において案件を主導する担当者には期待されています。

ストラクチャードファイナンスを成功に導くと言う文脈においては.間違いなくストラクチャードファイナンス部門で働く担当者が中心的役割を担います。

日本語と英語の両言語での高度なコミュニケーション能力が要求されるほか、弁護士や司法書士といった専門家とも会話ができる程の専門知識も要求されるため、専門性の高い業務の1つです。

決裁・稟議

当該プロジェクトに対してストラクチャードファイナンスを実行しても問題がないことを上司や審査部などといった金融機関の内部関係者に対して証明する業務になります。

ストラクチャードファイナンスにおいては案件の1つ1つをテーラーメイドで作成する必要があるため、それぞれの案件について金融機関内部での決裁や稟議が必要となります。

ストラクチャードファイナンスの業務は意外にも地道な書類や調整の積み上げなんだね

一方、少人数で大きな案件をこなしていく必要があるため、ストラクチャードファイナンス部門で働く人はハードワークになりがちみたいだよ

ストラクチャードファイナンス業務に関わるには?

やっぱり、ストラクチャードファイナンスに関わる仕事をしてみたいなぁ

ストラクチャードファイナンスの仕事に携われるのは次の5つの会社かな

◆ストラクチャードファイナンスに関われる企業◆
  1. メガバンク
  2. 政府系金融機関
  3. 事業会社
  4. 法務事務所
  5. コンサルティング会社

メガバンク

日本のメガバンクのストラクチャードファイナンス部門は世界的にも非常に強く、常にストラクチャードファイナンスの分野をリードしております。

実際、Reutersが集計する世界のプロジェクトファイナンスの主幹事行ランキングにおいて、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクすべては上位トップ5にランクインしています。

世界最先端のストラクチャードファイナンスに関わりたいと考える人にとっては、魅力的な就職先・転職先であることは間違いありません。

政府系金融機関

政府系金融機関の中でも、特に、日本政策投資銀行(DBJ)と国際協力銀行(JBIC)では、日本を代表する大企業とのストラクチャードファイナンスの案件が多いです。

民間銀行では取り扱うことが難しい案件であっても、日本と言う国家や産業にとって重要性の高い案件であれば.果敢に案件に参加します。

日本の発展にとって重要性が高い大規模プロジェクトや公共性の高いプロジェクトのストラクチャードファイナンスに関わりたいと考える人に向いている職場だといえます。

事業会社

事業会社では買収やプロジェクトを主導する立場となり、ストラクチャードファイナンスを利用して資金調達を行う主体となります。

主に、商社やインフラ企業などがストラクチャードファイナンスを利用するケースが多いです。

買収やプロジェクトそのものに興味があり、あくまでもストラクチャードファイナンスは手段であると考える人にとっては最適な職場です。

法務事務所

法務事務所では弁護士や司法書士といった専門家としてストラクチャードファイナンスの業務に関わります。

主に、利害関係者との法的関係の整理や契約書の文言の精査等を担当します。

すでに弁護士や司法書士の資格を取得している人やこれから資格を取得しようとしている人または法律面からもストラクチャードファイナンスに関わりたいと考えている人にとっては学びの多い職場であるといえます。

コンサルティング会社

コンサルティング会社では買収やプロジェクトを主導する事業会社をサポートする立場にあり、場合によってはストラクチャードファイナンスに関わる機会もあります。

特に、 BIG4などの監査法人系列のコンサルティング会社では関係する可能性も比較的高いです。

ストラクチャードファイナンスに興味がありつつも、ストラクチャードファイナンスの業務以外にも挑戦したいと考えている人にとっては、ちょうど良いポジションかもしれません。

ストラクチャードファイナンスといっても関わり方は様々なんだね

ただし、ストラクチャードファイナンスの専門性を身につけようと考えるなら、金融機関で働くのが間違いないかな

金融機関でストラクチャードファイナンスに携わる人のやりがいやメリットとは?

金融機関のストラクチャードファイナンス部門で働く人のやりがいって何なの?

実際に現場で働く人の声としては以下の5つが多かったかな

◆ストラクチャードファイナンス部門で働く人のやりがい◆
  • 新聞に載る案件に関われる
  • 専門性を身につけられる
  • 数多くの案件に関われる
  • 転職に強い
  • 高給かつ社会ステータスが高い

新聞に載る案件に関われる

日経新聞の一面を飾るようなプロジェクトや案件に関わることができるのこともストラクチャードファイナンス部門で働く醍醐味の1つです。

ストラクチャードファイナンスは単独の金融機関では融資することができないような大規模プロジェクトで利用されることが多いため、実際にストラクチャードファイナンスがクロージングしてプロジェクトが始動した際には、世間から注目を集めます。

また、ストラクチャードファイナンスで利用されるスキームが特殊である場合には当該プロジェクトのみならず、ストラクチャードファイナンスの仕組みそのものについても新聞の記事の中で解説されることもあり、そうなったときには非常に大きなやりがいと達成感を得ることができます。

専門性を身につけられる

日本語と英語の高度なコミュニケーション能力や専門家と交渉する際の高度な法務知識、さらにスキームを構築するだけの高度なファイナンスの専門知識がストラクチャードファイナンス部門で働く担当者には要求されます。

したがって、ストラクチャードファイナンス部門で働く担当者は専門書によるインプットと実務を通じたアウトプットから、ストラクチャードファイナンスに関する高度な専門性を自然に身に付けることができます。

ジェネラリストではなくスペシャリストとしてのキャリアを望む人にとっては大きなやりがいを感じられます。

数多くの案件に関われる

1年間に複数の案件に対して、ストラクチャードファイナンスを実施することとなるため、数多くの大規模な買収やプロジェクトに関わることができます。

事業会社の場合はプロジェクトそのものが社命をかけたプロジェクトであることも多く、事業会社の社員は当該プロジェクトに数年間は参画することとなります。

一方、ストラクチャードファイナンスにおいては、クロージング後はキャッシュフローの管理が主な仕事となる一方、新たな大規模プロジェクトのストラクチャードファイナンスを組成することに軸足を移していきます。

したがって、ストラクチャードファイナンス部門の担当者は1年間に複数の案件に関わることができることになります。

複数の大規模プロジェクトに関わりたい人や新しいことにどんどんチャレンジしたい人にとってはやりがいを感じやすいです。

転職に強い

ストラクチャードファイナンス部門の担当者は高度な専門性を身に付けることができるため、他の会社のファイナンス部門や都市銀行関連部署に転職することが比較的多いです。

実際に、LBOファイナンスで実務を経験した後にPEファンドに転職を成功させた担当者もいるようです。

人材としての市場価値が高く、転職が容易な事は現代のような不確実性が高い社会においては大きな安心感につながっているようです。

高給かつ社会ステータスが高い

ストラクチャードファイナンス部門を保有する金融機関はメガバンクなどの比較的大手の金融機関に限られるため、給料水準は高く、社会的ステータスも高い傾向にあります。

また、ストラクチャードファイナンス部門は金融機関内部においても、花形部署であるため、出世できるスピードが速く、それに伴い給料も上昇しやすい傾向にあります。

高給かつ社会的ステータスが高いため、合コンなどではモテる傾向にありますが、ハードワークゆえ合コンなどに参加できない担当者も多いようです。

ストラクチャードファイナンス部門で働くメリットは大きいんだね!

一方で、日系金融機関のストラクチャードファイナンス部門で働く担当者の中には、業務量対比で給料が割に合わないと考える人もいて、そういう人は外資系金融機関に転職するみたいです

ストラクチャードファイナンスを志望する就活生や転職者はメガバンクに就職すべき

ストラクチャードファイナンス業務に携わりたい人はどこに就職すればいいの?

ストラクチャードファイナンス業務に携わりたいなら、メガバンクに就職するのがオススメ!
メガバンクへの就職を勧める理由は以下の3つです!

◆メガバンクへの就職がオススメの理由◆
  1. 世界の主幹事行ランキングで上位だから
  2. 門戸が広くポテンシャルで採用してくれるから
  3. メガバンク内で個人の希望が通りやすくなっているから

世界の主幹事行ランキングで上位だから

メガバンクは世界のプロジェクトファイナンスの主幹事行ランキングで上位に位置しています。

実際、Reutersが集計した2020年のプロジェクトファイナンスの主幹事行(Global Project Finance Loans Mandated Arrangers)ランキングでは、三井住友フィナンシャルグループが1位、三菱UFJフィナンシャルグループが2位、みずほフィナンシャルグループが7位といすれのメガバンクについても、上位10以内にランクインしております。

したがって、新聞の一面を飾るような世界的なプロジェクトファイナンスに関わりたいと考える人や数多くの案件に関わりたいと考えている人にとってはお勧めできます。

門戸が広くポテンシャルで採用してくれるから

メガバンクの採用においては、新卒採用と中途採用のいずれにおいても、比較的門戸が広く、ポテンシャルを見極めて採用してくれるため、多くの人にとってストラクチャードファイナンス部門で働くチャンスを掴みやすい傾向にあります。

特に、新卒採用ではポテンシャルで採用してくれる傾向が強いため、ストラクチャードファイナンス部門で働いてみたいと考える就活生はメガバンクの新卒採用ホームページにエントリーしておくことが望まれます。

また、中途採用においても比較的年齢が若く、前職でファイナンスに関わる仕事をしていた人ならば、ポテンシャルで採用してくれる可能性もあります。

したがって、新卒採用・中途採用問わず、ストラクチャードファイナンスの業務に携わりたいと考えている人はメガバンクに就職することを検討しましょう。

メガバンク内で個人の希望が通りやすくなっているから

最近では、働き方改革が世間で注目を浴びる中、メガバンクの人事評価制度も変化しつつあり、以前に比較して個人の希望が通りやすくなっています。

新卒採用でメガバンクに就職した人の多くは、最初の数年間は法人営業部で働くことになりますが、法人営業部で真面目に働き一定の成果を出した人は、本人が希望するキャリアが通やすい傾向にあります。

また、入行1年目からストラクチャードファイナンス部門に配属となる場合もあり、人事部が本人の希望に沿ったキャリアを歩ませてくれる傾向が強まっています。

したがって、メガバンクに就職できれば、ストラクチャードファイナンス部門に異動するチャンスはたくさんあるため、メガバンクへの就職がお勧めできます。

メガバンクには保守的なイメージがあったから、希望が通りやすくなっていることやプロジェクトファイナンスの分野で最先端にあるというのはびっくり!

裏返しではあるけど、メガバンクといえども変化せざるを得ないほど市場での競争が激しいとも言えるかな

まとめ

ストラクチャードファイナンスについて、少しだけ詳しくなった気がするよ!

そう言ってもらえると非常にうれしいです!

以上、本稿ではストラクチャードファイナンスの全体像の説明から実際にストラクチャードファイナンス部門で行われている業務内容に至るまで解説してみました。

少しでもストラクチャードファイナンスに対する疑問が解消されたならば、筆者としては非常に嬉しい限りです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!