資格を取るのは面倒だし働く上で本当に必要なの?
確かに業務には必ずしも必要というわけではないね。
しかし、資格取得にするメリットは大きいよ!
金融業界で働く人もしくはこれから金融業界で働こうと思っている就活生・内定者・大学生にとって、どのような資格を取得すればいいかわからない人も多いと思います。
実際、私も資格取得で悩んだうちの一人です。
この記事では私が資格取得で悩んだ経験を踏まえて金融業界でキャリアアップにつながる資格を紹介していきます。
この記事では以下のような悩みを解決するよ!
- 金融業界で働く上で資格って必要なの?
- 会社からの推奨資格は多いけど、どの資格を取っていいかわからない...
- 資格を取得するとキャリアアップや昇給でどんなメリットがあるの?
金融業界で働く上で資格は必要か
金融業界で働くで資格って本当に必要なの?
最も大切なのは業務ではあるものの、取得するメリットは大きいよ!
銀行・証券・生保・損保といった金融業界では資格を取得することが基本的に推奨されています。
実際会社によっては資格を取得した場合の報奨金を満額支給を支給する会社もあります。
また、持っている資格に応じて毎年一定の報奨金が支給される会社や一定の資格を取得することが昇格や昇給の条件となっている会社も存在しております。
そもそも、なんで金融業界で資格が推奨されているの?
担当者の知識が収益に結びつくビジネスモデルをしているからだよ!
金融業界において資格取得が推奨される理由は金融業界のビジネスモデルに関係があります。
金融商品というのは目に見える形での製品があるというわけではなく、基本的にはお客様との契約やソリューション提案と言った目に見えない商品やサービスであるため、金融商品で他社と差別化をすることは非常に難しいです。
例えば、ほとんどの人にとってどの銀行で口座を作っても変わらないはずですし、ある会社の株式の購入を検討したとして、基本的にはどの証券会社から購入しても手数料以外に異なる点を見出すことは難しいです。
一方で世間一般の人にとっては金融商品とは複雑であり、どの商品を選んで良いのか分からないということが多々あります。
つまり自分に合った金融商品を専門家に選んでほしいというニーズが存在しています。
そのような課題を解決することこそ金融機関の担当者に課せられた役割だということができるでしょう。
そのため、より多くの金融知識やソリューションを持った担当者が金融機関では重宝されています。
すなわち、金融商品で差別化することが難しくなって現代においては各個人の担当者の知識と経験が他社との差別化につながるため、より多くの優秀な担当者を抱えることが企業戦略上非常に重要になっています。
したがって各個人の担当者が学び続けることが会社から求められます。
いわば担当者にとって資格を取得することは会社に対して自分が学び続けていることを証明する為の手段となっています。
金融マンの知識が金融機関の収益の源泉になっているんだね
- 金融商品はお客様との契約やソリューション提案といった目に見えないサービス
- 具体的なモノとしての形がないため、新しい商品を開発したとしてもすぐに同業他社に真似されてしまい差別化が難しい
- つまりお客様にとってより良い提案ができる知識を保有した担当者を多く雇用することが他社との差別化につながる
- したがって会社としては一人でも多くの担当者がより高度な知識を身につけてないようにするために資格を推奨する
金融業界で資格を取得するメリット
金融業界で資格取得は求められる理由はわかったけど個人にとってはどんなメリットがあるの?
具体的には以下のようなメリットがあるよ!
- 上司からの評価が上がる
- 同期との差別化になる
- 昇給・昇格につながる
上司からの評価が上がる
業務と関連する資格であれば上司からも評価して貰えます!
業務と関連する資格を取得した場合には上司からの評価されるものです。
実際に私が宅地建物取引士の資格資格を取得した際には上司から頑張っているねと言うお褒めの言葉をいただきました。
または米国証券アナリスト(CFA)の資格を先輩社員が取得した際には直属の上司だけではなく、執行役員である部長からもお褒めの言葉をいただいていておりました。
特に若手であるほどその傾向は顕著です。
なぜなら入社して2、3年目までは多くの場合はそれほど裁量のある業務を任されることはまれですので、業務面での評価は自ずと限定されがちであり、相対的に資格で評価される割合は大きくなります。
同期との差別化につながる
資格取得は大量採用された同期との差別化になります!
日系大手金融機関では多くの場合数百人との同期と競争することになります。
一方で大量採用された同期が皆同じ職場で働くことはないため、業務面での評価を一律に実施することは人事部としては難しいです。
そのような場合において、人事部としては推奨資格を設定することで評価体系を一律に設定することがあります。
その場合、推奨資格を取得することは人事部に対して自分自身が優秀な人材であることを直接アピールすることができる機会となりますので、 資格を取得することで同期と比較して希望の部署に異動させてもらえることが増えます。
実際、宅地建築取引士の資格を取得した同期は希望通りに不動産ファイナンス関連の部署に異動させてもらえておりました。
昇給・昇格につながる
取得資格によっては毎年資格手当が出る会社もあり昇給や昇格に繋がり易いです!
多くの会社では推奨資格を取得することで報奨金が出る場合が多いです。
私が勤務する金融機関でも推奨資格に合格すると資格取得にかかった金額のほとんどが還付されます。
また Vice President や部長代理と言った役職につくためには一定の資格を取得することが条件となっている会社もあります。
従って、私の会社において同期のほとんどは若手のうちは資格の取得のために休日も勉強している社員が多かったです。
平日は働いて休日は勉強しているとなると休んでいる時間はあるのだろうか…
金融機関に勤める人は器用な人が多いのでプライベートが充実している人も結構いたみたいですね(私は不器用なので若手のうちはプライベートを犠牲にしていました…)
金融業界で働く上で必須の資格(9選)とオススメ資格(10選)
金融業界において資格取得が大切なことはわかったけどどんな資格を取得したらいいのかわからない...
同期のほとんどが取得する必須資格(9選)と取得することで同期と差がつくおすすめ資格(10選)の2種類を紹介するよ
金融業界で働く人の必須の資格(9選)
金融業界で働く同期の多くが取得する資格は次の通りだよ
- 証券外務員一種
- 生保一般・専門課程試験
- 損保一般・専門課程試験
- 銀行業務検定財務3級
- 銀行業務検定法務3級
- 簿記3級
- FP 3級
- TOEIC 800点
- ITパスポート試験
こちらに記載した資格の全てを取得している社員はあまりおりませんが、記載した資格のうち5割から8割の資格を取得している社員は多いと感じております。
以下では、紹介した各資格について簡単にコメントするよ
証券外務員一種
証券外務員1種は投資信託などの金融商品を販売する担当者は必ず取得する必要がある資格の1つです。
したがって、ほとんどの金融機関では内定者の間かまたは新入社員1年目の間に取得することがマストとなっております。
合格率も平均的に50%を上回る試験になりますので、会社から配布された問題集1、2回繰り返し練習すれば、大抵の場合は合格できますのでそれほど心配しなくても大丈夫だと思います。
実際、私の同期の間で証券外務員一種に不合格になったと言う噂は聞いたことがありません。
生保一般・専門課程試験
生命保険一般課程試験と専門課程試験は、保険商品を販売する営業担当者は必ず取得しなければならない資格になります。
金融業界の中でもとりわけ生命保険業界、損害保険業界、証券業界、銀行業界、信託銀行業界に勤めている人はほとんどの場合取得します。
合格基準点は70点となりますが、会社から配布されるテキストと過去問を練習しておけば多くの場合で合格ができます。
しかし、生命保険業界では満点である100点を取得することが強く推奨されている会社もありますので、注意が必要です。
損保一般・専門課程試験
損害保険一般課程試験と専門課程試験は損害保険を販売する営業担当者は必ず取得する必要がある資格になります。
金融機関の中でもとりわけ損害保険業界、生命保険業界、証券業界、銀行業界、信託銀行業界で取得することがマストとなっていることが多いです。
一般家庭試験では会社から配布されるテキストを勉強してるけど基本的には合格できます。
また、専門課程試験においては試験会場においてテキストを閲覧することが可能になりますので、テキストのどこに何が記載があったのかを記憶しておくことが重要となります。
銀行業務検定財務3級
銀行業務検定財務3級は銀行や信託銀行業界では入社までか、又は新卒1年目までに取得することが必須となっている資格になります。
主に簿記の基本的な考え方や財務指標を計算することが問われる試験となっています。
マーク式試験かつ出題傾向が過去数年間変わっていない間となっているため、過去問題集による対策が非常に有効な試験となっています。
法務3級と比較して簡単な試験となっているため、ほとんどの人は1, 2週間程度の対策で一発合格していた記憶があります。
銀行業務検定法務3級
銀行業務検定法務3級は財務3級の試験と同様に入社までか、または新卒1年目までに取得することが推奨される資格となっております。
財務3級と同様にマーク式試験かつ合格基準点も60点であるため、過去問を繰り返し練習することで合格することは可能です。
一方で、財務3級と比較して暗記量が多く、不合格となっている人も稀に見かけます。
私自身、公立の勉強があまり得意でなかったため、財務3級の2倍の勉強がかかったと記憶しております。
私自身、法律の勉強があまり得意でなかったため、感覚的には財務3級の2倍の勉強時間がかかったと記憶しております。
簿記3級
簿記3級は金融業界では広く推奨される資格となっております。実際、私が取得した必須資格の中でも最も役に立った色私が取得した必須資格の中でも最も役に立った資格であると実感しております。
特に、銀行業界・信託銀行業界・証券業界に勤める法人渉外の営業担当者にとっては必須資格であると言っても過言ではありません。
2週間程度の学習で取得できる色であることから、コストパフォーマンスは非常に高いです。
または、簿記3級は他の資格とのシナジーも非常に高く、証券アナリストといったよりレベルの高い資格を取得する際の基礎となります。
FP 3級
FP 3級は、金融商品の個人営業をなりわいとする証券業界・生命保険業界・銀行業界に勤める人にとっては必須の資格となっております。
最近では、法人営業の担当者にとっても、中小企業の社長に向けて投資信託等といった金融商品を提案する機会が増えているため、資格取得が推奨されている会社が増えてきております。
証券外務員1種と内容が重複する問題が多くあり、証券外務員1種をすでに合格している人にとっては比較的簡単に合格することができると思います。
合格率は50%程度となっており、合格基準点も60点であることから、とりあえず受験している人が多い試験であるといえます。
TOEIC 800点
TOEICは、金融業界では強く推奨される資格試験となっております。
楽天のように800点を取得することが入社条件とはなっておりませんが、昇格や昇給の条件となっている会社もあると聞いております。
また、海外拠点駐在のための条件となっている会社が多く、TOEIC 800点を取得する事は金融業界でキャリアアップを目指す上で、非常に有効です。
私自身は就職活動を終了したタイミングから勉強を開始し、入社のタイミングまでになんとか取得することができました。
暗記科目の勉強があまり得意でないことから、入社までの時間のあるうちに勉強しておいて良かったと実感しました。
ITパスポート試験
金融業界においてもIT化の流れがあるため、ITパスポート試験の資格の取得が必須化する流れがあります。
CBT方式のためテストセンターで受験でき、自分の都合に合わせて試験日程を調整することができることから、金融業界に勤める人の多くが受験している印象があります。
また、合格率も50%程度かつ、合格基準点も60点であるため、比較的簡単に取得できる資格であることも人気の1つです。
取得すると評価が高まる資格(10選)
金融業界で取得すると周囲と差がつく資格は次の通りだよ
- 簿記1級
- FP1級
- CFP
- TOEIC900点
- 宅地建物取引士
- 証券アナリスト
- 中小企業診断士
- 国際公認投資アナリスト(CIIA)
- 米国証券アナリスト(CFA)
- 米国公認会計士(USCPA)
こちらに記載した資格のうち少なくとも1つ以上を取得することが昇格の条件となっている金融機関も多いです。
一方で記載した資格のうち3つ以上を取得している社員はあまりいません。
以下では、紹介した各資格について簡単にコメントするよ
簿記1級
簿記1級は公認会計士の登竜門的な資格となっており、取得すると部内で一目置かれる存在となることができます。
中小企業向けの法人営業をしていた担当者が簿記1級を取得したことで、1部上場企業等といった大企業向けのホールセール部門や財務部に異動したと言う話はよく聞きました。
勉強熱心な担当者の中には、簿記1級を取得した後にUSCPAを取得して、投資銀行部門に異動しておりました。
合格率が10%を下回ることも多く、非常に難易度の高い試験となっております。
FP1級
金融業界の中でも個人営業部門で働く担当者の中で、優秀な社員が取得している印象がある試験となります。
FP1級やCFPを取得することが各拠点の拠点長又は支店長に昇格するための材料になっているという話はよく聞きます。
実際私が個人営業部門で働いていた時も、拠点長はFP1級を半年かけて取得したことを自慢しておりました。
FP1級は国家資格であることや一度合格してしまえば、一生涯にわたって合格が有効であることがメリットとなります。
一方で、簿記1級と同様に合格率が10%未満であるため、難しい試験です。
CFP
CFPはCertified Financial Plannerの略で、国際的に認められたフィナンシャルプランナーであることを示す資格となっておりますが、基本的にはFP1級と同じ立ち位置にある資格であると会社からはみなされることが多い資格です。
CFPでは科目合格が認められている試験であり、一発合格しか認められていないFP1級と比較して計画的に合格を目指すことができる資格となっています。
反面、合格後に資格の有効性を維持するためには、更新時に定期的な継続学習が求められる資格でもあります。
TOEIC900点
海外拠点の駐在から帰国した社員や国際部門で働く社員の多くが取得している印象があります。
潰しが効く資格で将来的にグローバルに活躍しようと考えている社員や外資系金融機関に転職しようと考えている社員にはオススメできる資格となっております。
一方で、MBAや海外大学院への留学を検討している社員の間では、TOEICよりもTOEFLで高スコアを獲得することを目標としている人が多いと思います。
とは言え、TOEIC 900点以上を取得することは困難であるため、上司や人事部から評価されることが多いです。
宅地建物取引士
他の高難易度資格と比較して取得することが容易な割に、上司や人事部から評価してもらえることが多く、コストパフォーマンスに優れた資格であると言えます。
実際、私の先輩社員の中には、宅地建物取引士と他の資格を取得していたことで、経営企画部に異動していた人もいました。
また、銀行業界においては、事業会社に貸し付ける資金の担保として、不動産を取り扱うことも多く、担保として、不動産を取り扱うことも多く、資格を取得することで思いのほか活躍できる機会も多いです。
さらに、役職定年後の子会社や関連会社への出向の際には、宅地建物取引士を持っていると収益性の高い不動産関連会社を斡旋してもらえることもあるため、取得しておくメリットは大きいです。
宅地建物取引士については私も取得したので、以下の記事でまとめているよ!
証券アナリスト
証券アナリスト試験は金融業界では幅広く取得が推奨される試験となっております。
特に証券業界では、証券アナリストの保有者数を競っている会社もあり、比較的メジャーな資格の1つです。
証券アナリストの試験に申し込みをすると、通信講座の教材が大量に送られてきます。
しかし、教材に書かれているほど難しい内容が試験で問われる事は稀です。
したがって、多くの受験生は証券アナリスト協会のホームページに公開されている過去問を勉強するかTACが出版する過去問題集で対策をする人が多いです。
1次試験で科目合格が認められていることや各科目の合格率が50%台で安定していることなどから、比較的合格しやすい試験であるといえます。
中小企業診断士
中小企業診断士は中小企業にコンサルティングをする上で一定の知識を保有することを証明する資格であり、コンサルティングに関係する資格の中では唯一の国家資格となっております。
ホールセール部門に勤める担当者が取得することで本業とのシナジーが見込めるほか、会社によっては社内に中小企業診断士が集まって勉強会を開催する部活があります。
中小企業診断士には独占業務こそはありませんが、マネージメント層への昇格の材料にされることが多く、また中小企業診断士を取得した後にコンサルティング業界に転職をしていた人も多く見ました。
国際公認投資アナリスト(CIIA)
国際公認投資アナリストは証券アナリストの上位に位置する資格であり、証券会社でアナリストやエコノミストに従事する社員が多く取得している印象のある資格です。
米国証券アナリストと比較すると知名度は劣りますが、社内で取得している人が少ないこともあって、評価されやすいと思います。
また、将来的にマーケット部門やアナリストやエコノミストとしてのキャリアを目指している人にとっては非常に有効な資格であるといえます。
米国証券アナリスト(CFA)
米国証券アナリストは取得することが非常に難しく、取得すると社内での評価が非常に高まる資格です。
私の先輩社員が米国証券アナリストのLEVEL 2に合格した際には、執行役員になる部長席がわざわざその先輩社員の席にまで訪れて褒めていました。
金融業界の中でも、特に資産運用業界や外資系証券会社に勤めている社員が取得する傾向が強い資格です。
また、米国証券アナリストは転職市場においては、MBAや大学院修了と同等の評価をいられることもあり、キャリアアップにつながることは間違いありません。
米国公認会計士(USCPA)
米国公認会計士はCFAと並ぶほどの高難易度の資格であり、実際に取得すると非常に評価される資格になります。
米国公認会計士を取得し、経営企画部や財務部、ストラクチャードファイナンス営業部で活躍している社員の話を聞いたことがあります。
また、米国公認会計士を取得後、ベンチャー企業のCFOとして働いている社員もいるようです。
日本の公認会計士試験と違って、科目合格が認められています。
一方、CFA同様に試験問題は全て英語であるため、難易度の高い試験です。
英語と会計ができることを証明するためにはうってつけの資格であり、金融業界以外でも通用する資格となっております。
まとめ
金融業界では業務以外に勉強することが大切だとわかった気がするよ
紹介したすべての資格を取得する必要は無いけど、資格取得の際には参考にしてもらえるとありがたいかな
金融業界では社員一人ひとりの専門知識が収益の源泉となっているため、今日も以外の時間にも勉強することが推奨されています。
今回紹介した必須資格を中心に取得しつつ、高い難易度の資格にもチャレンジして欲しいです。
金融業界全体の人材のレベルが上昇することを祈っております。
ここまで読んでくださりありがとうございました!